5月21日、弊社と日本機関紙協会神奈川県本部の共催による「春の編集講座」が開催され、「取材・執筆演習コース」に20人が参加しました。午前中は、講師から「取材までに準備すること」「取材本番の組み立て」などを学び、午後は実際に人物取材に取り組み、決められた文字数で記事を仕上げました。
「取材・執筆演習」でつくられた記事のひとつをご紹介します。
「必死だった。闘ってよかった」資生堂に全面的勝利和解
大手化粧品メーカー、資生堂を相手に6年8カ月に渡り、解雇、雇い止め撤回を求め都労委に救済を申し立てるなど、一歩も引かない闘いをした女性たちがいます。この争議が1月25日全面的な勝利和解が成立しました。原告女性7人のメンバーである池田さんともう一人の女性にお話をうかがいました。
派遣社員として働いていた時から差別を感じていたと2人は話します。「名前ではなく『派遣さん』といつも呼ばれていた。正社員と同じ責任で仕事をしているのに給料は半分。食堂もATMも使わせてもらえませんでした」。過酷な労働環境下でも彼女たちはプロ意識を持ち、良い製品を作るために仕事に打ち込んでいた。そんな中、突然の解雇。「頭が真っ白になった」と2人は語ります。子育て真っ最中の家計は困窮し、争議中はパートとアルバイトを3つ掛け持ちしていた。とにかく必死だったといいます。
勝訴して生活に大きな変化はあったのか池田さんに尋ねると「大きな変化はありません。今も普通に仕事をしています。でも、心境は変わりました。闘ってよかったと思います」と晴れやかな表情で語ってくれました。(取材:きのこ)